症状
- 調律の数週間後に、またピアノの音が濁って聞こえる
- 季節によって音が良くなったり悪くなったりする
- 特定の音や、ある範囲全体がずれ続ける
- ほかは保っているのに、一部の音だけが低くなる
考えられる原因
湿度の変化
響板は湿度が高いと膨らみ、乾燥すると縮むため、音程が高くなったり低くなったりします。これが最もよくある原因で、どのピアノにも影響します。
最近の大きな音程の変化
ピッチが大きく下がっていたピアノを元に戻すと、フレームに大きな張力が加わります。弦と木材が落ち着くまでには時間がかかり、2回目の調律が必要になることもよくあります。
チューニングピンの緩み
古いピアノでは、ピン板の木材がチューニングピンを保持する力を失い、弦が1本ずつ低く戻ってしまうことがあります。
新しい弦や新しいピアノ
新しい弦は何か月も伸び続け、新しいピアノは安定するまで最初の1年に何度か調律が必要です。
使用頻度の高さ
学校やスタジオのように毎日強く弾かれると、家庭での軽い使用より早く調律がずれていきます。
自分で安全に確認できること
- 1ピアノの横に湿度計を置き、必要に応じて除湿機や加湿器を使って相対湿度を40〜50%に保ちます。
- 2ピアノをエアコンの吹き出し口、窓、暖房器具、直射日光から離します。
- 3どの音がずれるかを記録しましょう。ある範囲全体なら環境、いくつかの音だけならピンの緩みが疑われます。
- 4毎回の調律がどのくらい、どの季節に持つかを記録し、技術者に伝えます。
- 5エアコンや暖房は急にオン・オフせず、一定の設定で使います。
やってはいけないこと
- ペンチやレンチでチューニングピンを自分で回さないでください。ピンが曲がったり、弦が切れたりします。
- 技術者の判断なしに、「ピン締め」用の液剤や瞬間接着剤をピン板に流し込まないでください。
- ピアノを「節約」しようと調律を飛ばさないでください。間隔が空くほど、毎回の調律が安定しにくくなります。
自分でできる対処と技術者に任せること
たいてい自分で対処できる
- 部屋の湿度を測って管理する
- 吹き出し口や日光からピアノを離す
- どの音がいつずれるかを記録する
- エアコンや暖房を一定に保つ
技術者に依頼する
- チューニングピンのトルクの測定
- ピッチ上げとその後の仕上げ調律
- ピアノ内部への湿度管理装置の取り付け
- ずれる音のためのピン板の処置やオーバーサイズピン
技術者が行う作業
技術者は調律しながらチューニングピンのトルクを確かめ、音程を保たない音を探します。ピッチが大きくずれていた場合は、ピッチ上げと数週間後の2回目の調律を見込んでおきましょう。環境に強く反応するピアノには、ピアノ内部の湿度管理装置を1〜2時間ほどで取り付けられます。ずれるピンには、オーバーサイズピンやピン板の作業が必要なこともあります。
ピアノの弦にはおよそ18〜20トンの張力がかかっています。アクションを開ける、チューニングピンを回す、弦の近くで作業するといった対処が必要な場合は、技術者に任せてください。