症状
- 調律のたびに、同じいくつかの音がすぐに低くなる
- 1つの音のユニゾンがすぐにばらばらになる
- 調律師から、ピンが軽く回りすぎると言われた
- 強く弾いた後に一部の音の調律が狂う
考えられる原因
経年劣化と摩耗
ピン板は積層した硬い木材のブロックで、摩擦で各ピンを保持しています。何十年もの調律と環境の変化で、穴が少しずつ広がっていきます。
乾燥した空気
非常に乾燥した環境ではピンの周りの木材が縮み、保持力が下がります。乾燥した季節を繰り返すと悪化します。
ピン板の割れ
ピンの穴と穴の間を走る割れがあると、隣り合う複数のピンが一度に緩みます。厳しい気候で過ごしてきた古いピアノに多く見られます。
過去の修理
一度抜いて打ち直したピンや、過去に液剤で処置したピンは、保持力が弱いことがあります。
自分で安全に確認できること
- 1どの音が、調律後どのくらいで低くなるかを記録します。
- 2部屋の湿度を測りましょう。40%を下回る期間が長いと、ピンの緩みが悪化することがあります。
- 3ピアノをヒーター、暖房器具、エアコンの吹き出し口から離します。
- 4前回の調律で緩いピンがなかったか、調律師に尋ねてみましょう。
やってはいけないこと
- ペンチ、レンチ、金づちでチューニングピンを自分で回したり叩いたりしないでください。
- 技術者なしに「ピン締め」用の液剤や瞬間接着剤を使わないでください。一度使うと、その後の修理の選択肢が限られます。
- ピン板の点検をせずに、ずれる音を調律し直し続けないでください。
自分でできる対処と技術者に任せること
たいてい自分で対処できる
- どの音がずれるかを記録する
- 湿度を40〜50%前後で安定させる
- ピアノを熱源から離す
技術者に依頼する
- 鍵盤全体でのピンのトルク測定
- ピンを少し深く打ち込む、またはオーバーサイズピンに交換する
- 適切な場合のピン板の処置
- オーバーホールの一環としてのピン板交換
技術者が行う作業
技術者は調律しながら各ピンのトルクを感じ取り、緩いピンを記録します。緩いピンが数本なら、少し深く打ち込むかオーバーサイズピンに交換することで、1回の訪問で直ることがよくあります。ピン板全体が劣化している場合は、ピン板の処置かピン板の交換が選択肢になります。交換は数週間かかる工房での作業で、品質の良いピアノでなければ割に合いません。
ピアノの弦にはおよそ18〜20トンの張力がかかっています。アクションを開ける、チューニングピンを回す、弦の近くで作業するといった対処が必要な場合は、技術者に任せてください。