症状
- 響板の木目に沿って割れが見える
- 特定の音でビリつく、ガタつく(乾燥した時期だけのこともある)
- 以前と比べて、音が弱く、伸びが短い
- 響板の下の響棒が響板から離れている
考えられる原因
乾燥と収縮
響板は薄いスプルース材です。乾燥を繰り返すと木目と直角の方向に縮み、ついには木が裂けます。
湿度の繰り返し
湿気の多い季節に膨らみ、乾燥した季節に縮むことを何年も繰り返すと、木の繊維が圧縮されて負担がかかります。
経年劣化
何十年も経つと、響板は弦の圧力を支えるわずかな反り(クラウン)を一部失い、割れやすくなって音も弱くなります。
自分で安全に確認できること
- 1ビリつきに耳を傾けましょう。すべての音を弾き、ガタつく音を記録します。
- 2乾燥した時期にビリつきがひどくなるか確認します。そうなら、響板や響棒が原因と考えられます。
- 3ピアノの上や内部に緩んだ物がないか確認します。それもビリつきの原因になります。
- 4割れが広がらないよう、湿度を40〜50%で安定させます。
やってはいけないこと
- ビリつく割れを放置しないでください。剥がれた響棒は悪化することがあります。
- 割れを接着剤、充填剤、テープで自分で埋めないでください。
- 割れが広がることがあるので、ピアノをヒーターやエアコンの吹き出し口の近くに置かないでください。
自分でできる対処と技術者に任せること
たいてい自分で対処できる
- ビリつきの原因が緩んだ物でないか確かめる
- 湿度を確認する
- どの音がいつビリつくかを記録する
技術者に依頼する
- ビリつきの正確な原因の特定
- 剥がれた響棒や駒の再接着
- スプルース材での割れの埋め木
- クラウンと弦圧の評価
技術者が行う作業
技術者はまず、割れが実際に音に影響しているかを確認します。多くの割れは影響しません。ビリつく割れや剥がれた響棒は、再接着したり、スプルース材の細片で埋め木したりできることがよくあります。小さな修理なら訪問時にその場でできますが、響板全体の修理や交換は工房での大がかりなオーバーホールになり、高品質なピアノでなければ割に合いません。
ピアノの弦にはおよそ18〜20トンの張力がかかっています。アクションを開ける、チューニングピンを回す、弦の近くで作業するといった対処が必要な場合は、技術者に任せてください。