症状
- 棚板の上、鍵盤の下、本体の底にフンがある
- ハンマー、ダンパー、鍵盤ブッシングのフェルトがかじられている、薄くなっている
- フェルトの小さな穴、虫の幼虫、まゆ、糸
- 屋根を開けるとかび臭い、またはアンモニアのようなにおいがする
- 鍵盤が引っかかる、カチカチ鳴る、正しく鳴らなくなった
考えられる原因
内部に巣を作るネズミ
アップライトピアノの下部は暗く静かで、フェルトや羊毛がたくさんあり、ネズミが巣の材料に使います。尿も金属部品を腐食させます。
フェルトを食べる衣類害虫
イガなどの幼虫は、ハンマー、ダンパー、ブッシングの羊毛フェルトを食べます。ほとんど弾かれないピアノでは特に被害に遭いやすいです。
長期間使われていない
物置、地下室、空き家などで何か月も閉じたままのピアノが、最も被害に遭いやすいです。
自分で安全に確認できること
- 1下前板を外すか屋根を開けて、懐中電灯で中にフン、巣の材料、かじられたフェルトがないか確認します。
- 2ハンマーや鍵盤の端のフェルトに、穴や地肌が見える部分がないか確認します。
- 3部屋で駆除を行いましょう。ピアノの外に罠を仕掛ける、隙間をふさぐ、駆除業者に依頼するなどです。
- 4手袋とマスクをして、柔らかいブラシ付きのノズルで本体の底のごみを掃除機で吸い取ります。
- 5ピアノを定期的に弾き、数か月ごとに開けましょう。人の気配があると虫が寄りつきにくくなります。
やってはいけないこと
- ピアノの中やアクションの近くに毒餌、防虫剤、殺虫剤を置かないでください。残留物やにおいが残り、フェルトや塗装を傷めるものもあります。
- ハンマーやアクションの部品を自分で掃除機にかけたりブラシでこすったりしないでください。位置がずれやすいです。
- フンを放置しないでください。ネズミの尿は弦やピンを腐食させ、被害は広がり続けます。
自分でできる対処と技術者に任せること
たいてい自分で対処できる
- 懐中電灯で中を確認する
- 本体の底のごみを掃除機で吸い取る
- ピアノの外、部屋に罠を仕掛ける
- ピアノを定期的に開けて弾く
技術者に依頼する
- かじられた・虫に食われたハンマーやダンパーのフェルト
- アクションや筬の中の巣
- 被害後に鳴らなくなった鍵盤
- 尿による強いにおいや腐食
技術者が行う作業
技術者はアクションと鍵盤を取り外し、本体の内部を清掃・消毒し、必要に応じてかじられたブッシング、ダンパーのフェルト、ハンマーのフェルトを交換します。軽い清掃と数か所のフェルト交換なら通常数時間で済みますが、被害が大きい場合は工房での数日がかりの修理が必要になることもあります。その後、ピアノを整調・調律します。
ピアノの弦にはおよそ18〜20トンの張力がかかっています。アクションを開ける、チューニングピンを回す、弦の近くで作業するといった対処が必要な場合は、技術者に任せてください。