症状
- 音がすぐに消え、輝きがない
- 高音が澄んでおらず、細い・もこもこした音になる
- 録音やほかの楽器より音が低く聞こえる
- 湿度の高い時期に音が柔らかく感じる
考えられる原因
調律の狂いとピッチの低下
長い間調律していないピアノは音が低くなり、各音のユニゾンも合わなくなって、音の明瞭さが失われます。
ハンマーの摩耗や柔らかすぎ
ハンマーのフェルトは使ううちに溝ができて平らになり、また柔らかくしすぎた場合も、こもった音になります。
湿気
湿った空気はフェルトや響板を膨らませ、音を鈍くし、アクションの動きも遅くします。
部屋と設置環境
じゅうたん、厚いカーテン、ソファ、柔らかい壁に押し付けたピアノは、いずれも高い周波数を吸収します。
弱音装置が入っている
多くのアップライトピアノでは、真ん中のペダルでハンマーと弦の間にフェルトの帯が下り、とてもこもった音になります。
自分で安全に確認できること
- 1真ん中のペダルが横にロックされていないか確認します。アップライトピアノでは、この弱音装置がうっかり入ったままになっていることがよくあります。
- 2屋根(アップライトピアノなら上蓋)を開けて、音を比べてみます。
- 3ピアノを壁から数センチ離し、何も立てかけられていないか確認します。
- 4湿度計で部屋の湿度を測ります。目安はおよそ40〜55%です。
- 5最後に調律した時期を確認しましょう。1年以上経っているなら、まず調律から始めます。
やってはいけないこと
- ハンマーを自分で削ったり、やすりをかけたり、硬くしたりしないでください。整音には訓練が必要で、間違えると元に戻せません。
- 音を明るくしようとして、アクションからフェルトや部品を外さないでください。
- ヒーターや除湿機をピアノに直接向けないでください。
自分でできる対処と技術者に任せること
たいてい自分で対処できる
- 弱音装置を解除する
- 屋根を開け、ピアノを壁から離す
- 部屋の湿度を管理する
技術者に依頼する
- 調律とピッチ上げ
- 明るさを取り戻すハンマーの整音
- 摩耗したハンマーの整形や交換
- 響板とダンパーの点検
技術者が行う作業
技術者はまずピアノを正しいピッチに調律し、次にハンマーを整音します。溝のできたフェルトを削って形を整え、密度を調整して、音が均一で澄んだものになるようにします。調律は1〜2時間ほどで、整音は同じ訪問か後日行います。
ピアノの弦にはおよそ18〜20トンの張力がかかっています。アクションを開ける、チューニングピンを回す、弦の近くで作業するといった対処が必要な場合は、技術者に任せてください。